◆ワイン試飲会報告 その11 2012/5/10         << 試飲会報告 その10  試飲会報告 その12>>


毎年5月に開催されるワイン試飲会「WINE TOKYO 2012」。
国内の大小ワインインポーターやメーカーなど80社あまりが一同に出品する試飲会で、出品者数としては一番規模が大きいけど、会場は一番狭い。 いつもぎゅうぎゅう詰め。
会場はモノレールの流通センターでアクセスもちょっと不便。

ワイン関連商品の輸入・販売を手がける「グローバル」が企画し、かなり経費を抑えた質実剛健な試飲会ながらも普段見かけることのない中小インポーターが参加するので、なかなか興味深い。
まさに日本のワイン業界の「今」が見える試飲会といえる。

この日も大嵐という天気予報の中、行ってきました。(この日、横浜や関東各地で大量の“ひょう”が降った)

  

この1〜2年は『安定したブーム』と言われるほど、ワインだけが全酒類の中で唯一伸び続けている。
そのため業界内ではワインへの注目度は高く、この試飲会もご多分に漏れず満員の盛況である。
毎回、聞いたことのないワインインポーターがいくつも出展していて驚かされるが、実際に当店がワインを本格的に取扱い始めた頃には、今回出展しているインポーターは1社も存在しなかった。

これだけ業者が多いと選ぶ方も大変で、ある程度探すワインのジャンルを明確にして行かないと、ただの見物に終わってしまう。
今回探すのは日常消費用の1500円以下くらいのワインで、出来ればラベルの綺麗な見ても楽しいワイン。

  

この漫画のラベルのワインはオーストラリアの『ファースト・ドロップ』。
ラベルもユニークだけど、「固有の畑や醸造設備を持たないユニークなワイナリー」で、葡萄は契約農家から買い付け、醸造も充実した設備をもつ他のワイナリーで行い、毎年、ラベルも味も変わるというすべてがユニークなワイン。

右の写真はパック入りワイン。 パックワインは安そうに見えて案外安くないので、今まで当店では取り扱わなかったが、最近は安くて、そこそこおいしいのがちらほら出てきているので検討中。
ただし、パック清酒にしても、どうも工業的な感じがして自分が飲みたくないので、“う〜む”といったところ。

パックの後ろにある赤と青のキャップは、1.5リッター入りのペットボトル入りワイン。
触らないとペットボトルだと気付かない。 味もけっこう良くて、安い。
このタイプは日本初登場で今回を含め試飲会で見るのは2度目で今後増えそうな気配がする。
ただ、味も変わりやすいのでBBQやパーティなどの大人数向けだろう。


「WINE TOKYO」は、国産ワインメーカーの出品も多い。
ここ数年、日本のワインもずいぶんと質が向上し、おいしくなってきた。

ただし、価格はまだまだ輸入品と比べると歴然とした差があるのはいたしかたないが、それでも以前より手頃な価格に近づいてきている。

このメルシャンの「藍茜 2009」も1500円程度と純国産品としてはリーズナブルだが、けっこう飲めてそこそこおいしい。
以前に比べ、このクラスのワインが充実してきたのは嬉しい限りである。

ただし、スーパーで売られる500円前後のサントリーやメルシャンなど大手メーカーが作る“ニセ国産ワイン”には気を付けたい。
これらのワインはラベルに日本語で「おいしいワイン」やら「ポリフェノールうんぬん」、「酸化防止剤無添加」などと大きく書かれ、多くの人が国産ワインと勘違いしているが、実は中身はバルク物の輸入ワイン。
それにほんのちょびっと国産ワインを混ぜて、国産ワインと勘違いさせている“ニセ国産ワイン”。 (※バルク物とは、大きなタンクなどで輸入される原料用安ワイン)

日本はワインに関する法律が諸外国と比べるとほとんど整備されておらず、ほとんどメーカーのやりたい放題で
上記のような例が普通に行われている。
ボトルのバックラベルの原料に輸入ワイン、国産ワインの順で書いてあれば、ほとんど中身は輸入ワインと考えた方がよい。 せめて使用割合を記述する法律は必要だと以前から思っている。
なによりも純粋に国産ワインを造っている方々にとって、それらのワインと同等に扱われるのは申し訳ない事であるし、日本のワイン産業にとっても、その逃げ道のある“甘さ”はけっしてプラスにはならない。

ちょっと話が横道にそれました...

  

この試飲会はグローバル社が主催なので「リーデル」や「ラギオール」などのワイン関連商品も多く展示されている。

ワインはグラスで驚くほど味が変わるというのは事実で、同じワインを2種類の形の違うグラスで飲んでみれば一目瞭然です。

赤ワインもグラスで香り、味が変わりますが、より差が出るのは白ワインです。
それは白ワインに多く含まれる“酸味”のためで、試しに2つの形の違うグラスを用意して飲み比べてみて下さい。 多くの方がその違いに驚くはずです。
これは舌の酸味を感じる部位にワインがどう接触するかにあります。
酸味を感じる部分は舌の両サイドにあるため、口のすぼまったグラスの場合、ワインは舌の中央部に落ちるため酸味は穏やかに感じられ、逆に口の広いグラスの場合はワインが舌の両サイドに落ちるため酸味を強く感じます。

高級グラスを薦めるつもりはありませんが、赤ワイン用なら容量350ml以上は必要で、なるべくガラスの薄手のものがよいでしょう。
「リーデル」は私の知る限り、世界最高のワイングラスメーカーで1500円位からのリーズナブルなものもありますので、試す価値は十分あると思います。


今回の試飲会も盛況でワインは注目されているんだなと実感しましたが、初めて見るインポーターも数多くあり、 聞くところによると国内インポーターの数も最低400社以上あるということです。
しかし、実際にはインポーターの再編や淘汰は着々と始まっており、数年後にどれだけのインポーターが生き残っているか、ちょっと心配になりました。



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