◆ワイン試飲会報告 その5 2009/5/14 「WINE TOKYO 2009」
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◆ 初めての試飲会 「WINE TOKYO 2009」 ◆

今回は初めて行くワイン試飲会「WINE TOKYO 2009」のレポート。
情報誌などで「WINE TOKYO」の名前程度は見たことはあったが、行こうと思ったことはなかった。
というのも、試飲会の中にはわざわざ遠くまで足を運んでもガッカリしてしまうほどの内容の試飲会も以前にあったので、ここもその類いかと勝手に思い込んでいた。

  

今回も案内が送られてきてはいたが、行くつもりはなかった。ところが開催日の前々日にまた案内状が送られてきて、中を開けてみると以前取引をしていたインポーターからのもので、彼とはここ2〜3年音信不通になっていたので急遽参加することに決めた。

彼が新しく会社を興したことは風の噂で聞いていたが今まで連絡はなかった。
実は彼は優れたワイン発掘能力の持ち主で、以前の会社で確か1995年頃にワインの輸入を始め、その後のワインブームに乗り、とてつもない数のワインを売った。彼の輸入するワインは、ワインコンテストでもゴールドメダルを数多く獲得し、日本のワイン愛好家ならば間違いなく何処かで彼の輸入したワインを口にしているはずだ。
“いいワインがあるんじゃないか?”という期待と懐かしさもあって「WINE TOKYO」に行ってみることになった。

そして、案内状をよく見てみて驚いた。
なんと当店の取引業者が何社も出展しているし、気になる業者の名も載っていたので期待は更にふくらんできた。


◆ 思ったより盛大!? ちょっと驚きの試飲会 ◆

試飲会場は「東京流通センター」。浜松町からモノレールで行かなければならない、ちょっと不便な場所。
開始時刻の午前10時に合わせて出掛けるが、いつもの通り開始前に腹ごしらえをと考えていたが、駅を降りると立食いソバ屋ひとつなく、仕方が無いので今回は飯抜きで試飲会場へ直行。
会場は駅と隣接したビルでアクセスは非常によい。すでに大勢の客が会場内にいるのが入り口から見える。
受付の手際があまり良くないようで入り口で列が出来ている、これは帰るまで終始同じ状態だった。

  

この試飲会は入場料は無料でテイスティングで使用するグラスを300円で購入するというシステムになっている。主催者がグラスなどのワイン用品屋さんなのでそうなのか? は、分からない。

会場は大きめの結婚式の披露宴会場くらいの広さで、そこに100社近い業者が出展しているのでとても混雑している。すでにお客さんも数百人程度入っていて、歩くのもままならないほどごった返して熱気に溢れている。

各社2〜3m程度の幅の小間に出展していて、サントリーやメルシャン、サッポロなどの大手からモトックス、飯田、スマイル、アグリといった中堅どころのインポーター、さらに中小のインポーター、そして国産ワインメーカー各社といった日本のワイン業界の半分くらいが勢ぞろいしている模様。 これほどの顔ぶれはそうそうないだろう。

  

この試飲会も流通業者対象で飲食店関係者は入れるが一般客は入れない。
気になる業者もいくつかあり、見知らぬ業者も数多く、どこから見ようかと迷うがまずは先の音信不通となっていた業者のブースへ行ってみることにする。

久しぶりに見るなつかしい顔に思わず握手を交わし、早速、試飲させてもらう。
この日は40種類ほどのワインとスパークリングが出品されていて、フランス、イタリア、チリ、スペインというラインナップ。

まずは低価格ワインから試飲するが、これがかなり良い。ちょうどこのクラスを探していたので出足は上々。
次にそのワンランク上のクラスを試飲するが、コストパフォーマンスの点でも充実したものが多く、さすがにワインの目利きは優れていると感心した。

どのインポーターでも言えることだが、要はワインを仕入れるバイヤーの舌次第で取り扱うワインの傾向は決まってしまうもの。どんなバイヤーがワインを仕入れているかはとても重要で、自分の好みに近いバイヤーのいるインポーターを見つけることが小売屋の重要な仕事のひとつでもある。

すでに評価の付いているワインは別として、無名のワインを見つけ出してくることこそがインポーターの実力と言える。中にはコンテストや評論家、雑誌の評価だけを参考にワインを輸入しているインポーターも数多くあることも事実である。

  

ジャン・マルク・ボワイヨの「ブルゴーニュ・アリゴテ」を試飲させてもらったが、これには驚いた!
「アリゴテ」といえば、多くの人がそうであるように私も“酸味が強くて薄っぺらな”イメージしか持っていなかったが、このアリゴテは別物だった。果実味豊かで丸みがあり、上質な『ブルゴーニュ・シャルドネ』そのもの。
イメージを覆すワインに出会うというのもワインの楽しみのひとつだし、それをお客さんに紹介して驚かせるというのも酒屋の楽しみのひとつである。

結局、ここの全種類を一時間ほどで一気に試飲して終了。
近々、そのワインの一部を当店でご紹介できることと思いますので期待していて下さい。


◆ とてもエキサイティングな日本のワイン業界の縮図 ◆

この試飲会は「関東最大のワイン・洋酒展示試飲会」という副題があるように数多くの業者が出展している。
「FOODEX」と比べると規模そのものはまったく小さいが、出展している国内のワイン業者の数は圧倒的にこちらが多い。
会場も小さく、出品できるワインの数は限られるが、出展費用が安そうなので中小業者が多く出展できるのだろう。まさに試飲のみの真剣勝負といった試飲会である。

  

興味深いのは、自分達の得意なワインに特化して輸入している小規模業者で、ある意味彼らが日本で入手できるワインを幅広く、そして深くしている。
以前ならば特殊なワインだけでは商売は成り立つ訳もなく、インターネットの広がりとともにワイン輸入業者の数が驚くほど増えたことも事実である。

そして、国産ワイン。これほどの国産ワインメーカーが一同に出展している試飲会も他にはないかもしれない。
メルシャン勝沼ワイナリーなどの大手からまだまだ無名のワイナリーまで、数多くの国産ワインメーカーが出展する国産ワインコーナーの前はかなりの人だかりで注目度がうかがい知れる。

この数年の国産ワインの品質向上は素晴らしく、人気は高まっている。そして、新しいワイナリーも続々と登場しているようだ。
しかし、この試飲会は彼らにとってはただの試飲会ではないだろう。
なにせ、ずらりと並んだ国内ワインメーカーと比較試飲され、さらに日本の主力インポーター達が輸入するワインと比較され優劣を点けられるのだから、まさに真剣勝負にほかならない。


ちょっと狭い会場に大勢の客と日本の主力インポーター達とワインメーカーがひしめく、エキサイティングな雰囲気と熱気のある試飲会。ある意味、ワインインポーターの登竜門的な試飲会がこの「WINE TOKYO」なのかもしれない、なんだかそんな感じがした試飲会だった。

そう言えば、国産ワインコーナーで試飲している時にふと隣を見るとテレビで見た顔が。辰巳琢郎さんだった。
彼も酒通・ワイン通として知られ「日本ワインを愛する会」の副会長もやっておられるとのことで国産ワインを真剣に試飲していました。


結局、4時間ほど通しで試飲して終了。とにかく人が多すぎて思うように動けず、全体の半分もチェックできなかったが収穫は大きく満足な試飲会だった。今回で10回目を迎えるという「WINE TOKYO」だが、今まで顔を出さなかったことがちょっと悔やまれるが、次回からは必ずスケジュールに入るだろう。


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