<2008.12.6更新>

今年のボジョレー・ヌーヴォーは予想していたより、おいしかった。
というのは、収穫前の作柄情報を見ていたら天候はあまりよくない、ヒョウの被害があったなど、あまり期待できる情報がなかったので、良くて並年か、少し悪い年かと想像していたからだ。

グラスに注いだ時、予想以上の色の濃さに、ちょっとびっくり。香りも豊か。
口に含むと果実味が豊かで、ほどよいボリュームもあり、ミディアムなボディ。
ボジョレーらしい、なんともキュートなチェリーのような含み香。

これだから、ワインは分からない。
難しい年でも、生産者は一生懸命においしいワインを造ってくれるんだな..と感じた年。
今年のフランスワインはきっと、生産者の実力が試される年になりそうだ。


というのは、前置きで。まだまだ、2008ボジョレー・ヌーヴォーが販売されている最中ではあるけれど、日本の業界内では、ちょっとした馬鹿げた問題が起こったのでお知らせする。
問題とは、スーパー同士のみっともない『値下げ合戦』。

12月1日の「酒販ニュース」(醸造産業新聞社)によると

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『イオン・西友 値下げ合戦、業界は冷ややか』

ヌーヴォーのPB商品で、イオンと西友の間で解禁日直前に値下げ合戦が勃発した。
航空便でともに1本1300円を切る売価となった。
「テレビでやっていたPETボトルの安いのはないの?」。東京都内のワイン専門店A店は解禁後、何人ものお客からこう質問された。
「ありません」と答えると、同店で代替品も求めることなく店を後にした。
店主は「容器の珍しさよりも、あの価格が魅力だったのだろう」と話す。
同じ問合わせは他の専門店や百貨店でも多数あった。

ことの起こりは11月13日。まずイオンが取り扱う全品を100円値引きして販売すると発表した際、グループで輸入するPB(フィリップ・ドメリー)PET入りは1780円で販売すると発表。
西友は解禁日3日前の17日、PB(フランソワ・フッシェ)をイオンPBよりも390円安い1390円で発売すると発表する。
イオンは解禁日前日になって西友より110円安い1280円に値下げすると再発表。
同日午後、今度は西友がイオンPBより1円安い1279円の再々値下げを発表した。

「両者とも『日本最安値のヌーヴォー』というPOPを掲げたかったということなのでは」
「話題づくりして頂いて、ご苦労なことです」。
冷ややかな声がワイン輸入業者や小売店から聞かれた。

両者とも当該商品の量は少ない。
西友(379店)は1250ケース。イオン(ジャスコ255店で販売)は830ケース。(やまや分除く/いずれも1ケース12本)。
単純計算でともに1店当たり3ケース程度の割当量で、首都圏の両者の店舗は早々にPB売り切れが続出した。
「目玉」にはお客は確かに飛びついた。
「卵1パック100円と同じ集客術として割り切れば理解できる。スーパーらしい」(中堅輸入業者)というほかはない騒動だった。

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といった内容。
皆さんはどう思いますか?
私は単に日本を代表する小売業のイオンと西友のトップの馬鹿さ加減を世にさらけだしただけと思っています。
1円でもライバルより安ければ、なりふり構わぬという幼稚さ。
宝くじのような確率でしか買えないほどの少量で誇大広告を打つ図々しさ。
恥を知らない図太さと後の事を考えられない馬鹿さ...。
大したものです。 こうやって大きくなってきたんですね。(ヘタすりゃ、感心してしまう)


これに対してボジョレーは怒っています。
ボジョレーワイン委員会は11月20日、ボジョレー・ヌーヴォー解禁に伴い会見した。
ダニエル・ブリア会長は、PETボトルのボジョレー・ヌーヴォーが日本に輸入されたことについて
「重量が減らせる目的と理解しているが、イメージが悪く、賛成できない」と苦言を呈した。


まさにその通りで、ボジョレー・ヌーヴォーは、フランスの農民、醸造家、それに携わる人々、そしてワイン愛好家達の世界共通/同時の収穫祭であることを忘れないでほしい。
日本のわずか1、2社の企業が自分たちの利益だけのために、その祭典をイメージダウンさせるようなことはやめてもらいたい。
あえて言わせてもらえば、そんな事情すら分からない者たちにワインを売る資格はないだろう。

ここ2〜3年、日本でのボジョレー・ヌーヴォーの販売量はかなり減少傾向にある。
それというのもスーパーやコンビニが大量生産のボジョレー・ヌーヴォーをこれでもかと市場に投入を開始してからの時期と重なる。
そして、いつも売れ残り、投売りをし、半年以上たっても売場に残っているケースが目に付く。
「旬」という季節感を失くし、ボジョレー・ヌーヴォーの魅力を下げたのは彼らだろうと業界の誰もが感じているし、それが実態だろう。
そして、すでに今年も大量の売れ残りが予想されている...。




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